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ORION

ジュニアバスケットボール大会2019。

2019年3月30日

前日、男女揃ってベスト4入りを決めた京都代表が

男子優勝、女子第3位という新たな歴史を作った。

同日13:00

今の京都の土台を作ったと言っても過言ではない

先生の退職記念OB戦が開かれた。

元藤森中学校 青野 浩 先生

今から約30年ほど前は

大阪の1位=近畿の1位という図式が成り立っていた。

私が西賀茂中学1年生の時に先輩から聞いた話であるが

京都府1位で出場した近畿大会で

大阪2位のチームにボッコボコにされて負けたそうである。

しかも最初の得点がジャンプボールから

ポンポンとパスをつないで、

(よくハンドリングの練習で使う)

背中と足の間を通すレイアップを決められたらしい。

先輩は当時中1であり、右も左もわからない近畿大会での

記憶なのでどこまで正確かはわからないが

それくらいはなから勝負にならなかったらしい。

その当時の京都の指導者の合言葉は

「大阪に追いつけ追い越せ」であったが

先陣を切っておられたのが青野先生である。

私の1学年上は京都の決勝戦のカードが全て藤森中対西賀茂中であった。

普通は手の内を見せるのを嫌がるのであまり練習試合などは組まないのであるが

もっとも数多く練習試合をしたのが藤森中であった。

恐らく、京都勢同士で手の内がどうとか言っている間は

近畿大会に出場して大阪のチームには勝てない。

京都勢同士で切磋琢磨してこそ初めて近畿の壁を破る事が出来ると

お互いに考えていらっしゃったのだと思う。

夏の府下大会の結果は

優勝 藤森中 準優勝 西賀茂中

となり、ライバル校同士で近畿大会に挑んだ。

我が西賀茂中は園田中相手に予選で2点差で惜敗。

近畿大会初戦で全国への夢が途切れた。

一方の藤森中は予選を危なげなく突破し、

運命の大阪代表との準決勝に勝利し、

沖縄全中への切符を手に入れた。

決勝戦では園田中に敗れてしまったが、

近畿大会準優勝チームとして悲願の全国出場を果たした。

全中ではご存知の方も多いと思うが、

初出場、第3位の結果を残した。

翌年  近畿大会準優勝 亀岡中学校

翌々年 近畿大会優勝 洛西中 準優勝 西賀茂中

と、京都勢の全中連続出場にはシードの影響もあるが、

藤森中が突破した事が非常に大きく影響していた。

ここでようやく冒頭の話題と結びつくが、

青野先生は京都選抜のスタッフとしても

長年指揮をとられていた。

選抜チームというのは選ばれた選手だけを鍛えれば

良いというものではない。

京都全体のレベルの底上げがあって

初めて選抜チームのレベルが上がる。

そして選抜チームの活躍が全体の底上げにも繋がる。

京都のレベルを上げるためには

両方向から鍛えなくてはいけないし

それを自チームの勝利だけでなく

京都全体のことを考えて

実践してこられたのが青野先生である。

私は今回の京都代表の大躍進を目の当たりにし、

青野先生の時代から脈々と受け継がれてきたものが

最後の大会で最高の結果に結びついたと感じた。

退職記念OB戦が終わり、

青野先生が体育館でお話しされているちょうどその時、

決勝戦が終わり、京都代表が日本一になった。

嬉しさ以上に感慨深いものがあった。

想いというのは自分が発するものではなく、

伝播していくものだと実感した。

そして今回で大会は終わってしまうが、

今、選抜に携わっていらっしゃる方々、

情熱を持って日々指導をされている方々の想いも

未来へ伝わっていくだろう。

2019.3.31

長年のご活躍に最大の敬意と感謝を込めて。

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