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ダブルオーバータイム

2019インターハイ京都府予選

ベスト8掛け。

「 両チーム勝利というわけにはいかないのか 」

そう思えた試合があった。

城陽高校 ー 京都両洋高校

長年、山城高校や福知山成美高校と

ベスト4の座を賭けて戦ってきた城陽高校と

近年、ベスト8チームに名乗りをあげ、

ベスト4入りを目指す両洋高校の対戦となった。

勝利チームはベスト8シードだけでなく、

近畿を懸けた準々決勝でベスト4シードチームへの挑戦権も得られる。

もちろん全てのベスト8チームに挑戦権は与えられるが、

東山高校、洛南高校が君臨する京都男子バスケット界において、

やはり第3シード、第4シードゾーンのベスト8は意味合いが異なる。

また京都両洋高校にとっては昨年度敗れた相手であり、

さらに城陽高校にとっては新人戦で失ったシードを

すぐに取り戻すことの出来るチャンスだったので

誰もが注目する1戦となった。

前半終わって34−34のがっぷり四つ。

怒涛の後半に入る。

第3クオーターは城陽高校の10点リード。

長年ベスト4で戦ってきた経験なのか、

城陽高校が地力を見せつけた。

このまま城陽勝利かと思われたが、

京都両洋高校も粘りを見せた。

4クオーターラスト5分からの

追い上げに会場が沸いたが、

私は入りの5分で気持ちを切らさずに

3クオーターの流れを断ち切り、

互角のバスケットを展開できたことが

終盤のドラマを生んだと考える。

残り1秒 2点ビハインド。

両洋高校のフリースロー。

最高にプレッシャーがかかるこの場面で

両洋高校7番が冷静に2本フリースローを決め

延長戦に突入する。

3面コートのハンナリーズアリーナであったが、

A,Cコートの試合が先に終わり、

Bコート1面だけの試合となった。

まるでメインコート1面で試合をしているような形になったが、

それに相応しい熱戦となった。

ダブルオーバータイム。

両チームから退場者が続出。

オンザコートの選手も疲労困憊。

普段のプレイが出来ない。

「 両チーム勝利というわけにはいかないのか 」

中学生の時から知っている選手が両チームにいるので

このまま決着がついて欲しくないと内心思っていた。

最終スコア 88-83

京都両洋高校の勝利で幕を閉じた。

勝利した京都両洋高校の選手には

京都に新たな風を吹かせてほしい。

また城陽高校の選手にとっては

結果だけで考えれば受け入れ難い1戦であったと思うが、

最高のゲームをした自分たちのバスケットに胸を張ってほしい。

先に試合が終わり、引退となった選手も

次戦に対戦する予定がないチームの選手も

指導者の先生も、審判団も誰もがBコートに釘付けとなった。

ベスト8掛けの試合でここまで会場中の注目を浴びたのは

ここ10年では記憶にない。

自分たちが戦った最高のゲームに胸を張ってほしい。

願わくば、冬での再会をひっそりと期待して。

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