中学校の時から見てきた多くの選手たちとの最後のお別れの大会、、、
それが私にとってのウインターカップ京都府予選である。
中学校の時には到底思いもつかないような舞台で活躍した選手。
高校ではベンチで過ごす時間が長かった選手。
中学校の時と同じように脚光を浴び続けている選手。
ただ単に公式戦という晴れ舞台だけを見ているわけではなく、
たくさんの選手の中学高校での努力の過程を見てきているだけに
万感胸に迫る大会でもある。
「 もしかして府大会で電撃復帰はあるか!? 」
淡い期待を抱いた選手がいたが
前十字靭帯はそう甘くはなかった。
身長はガードとしても決して高くはないが
身体を精一杯使ったプレイのコート上の存在感は抜群であった。
チームはベスト8から4の壁を破ったときもあった。
いつも笑顔でコートにいた。
高校最後のインターハイ予選。
怪我をしてしまったあとの試合も
笑顔でベンチにいた。
そして現役最後のこの大会も笑顔でいた。
試合中のベンチはもちろん、
試合後のTOのモッパーも笑顔でしていた。
そして最終試合終了後の後片付けも笑顔で手伝っていた。
体育館に行き、ドリブルをつくだけで楽しかった日々が誰にもあったはずであるが、
いつのまにか勝利やプレイタイムに幸せの比重がうつってしまってはいないか?
もちろん勝利のために日々、努力しているわけであり、
私自身もその世界にいたのでそうなってしまうのも仕方ないが、
この選手を目の当たりにした時、様々な記憶が蘇ってきた。
初めてバッシュを買ってもらった時の喜び。
初めてユニフォームをもらった時の喜び。
初めて試合に出た時の喜び。
心の底から楽しんでいたバスケット。
もし、少しつまらないと感じた選手がいるなら
それは自分自身がそうしているだけである。
バスケットの楽しさは無限大である。
「 Last Shot 」
この選手を撮る最後の1枚となるであろうが、
心の底から嬉しくなった1枚だ。
毎年たくさんのチームを見ているので、
いつかこのチームの結果を私が忘れることはあっても
怪我で挑んだ高校最後の大会で
笑顔でモッパーをしていた事はきっと忘れないであろう。
いつかどこかでバスケットでも。
BB-PHOTO TJ